Author:ETS
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ヒアリングとリスニングの違いは、"I listened but I coudn't hear(=聞こうとしたが聞こえなかった)."という英文の意味を考えると、明確になる。"listen"は「聞こうとする」ことで、その結果、「聞こえたか、聞こえなかったか」は問題にならないときに使われる。"hear"は、「聞こえたか、聞こえなかったか」が問題であるときに使われ、聞こうとしたかどうかを問題にしているときには、使われない。 アメリカ人やイギリス人が"hearing test"と言う場合、耳に異常があるかどうかのテストを意味する場合が多い。"listening test"というときには、言われたことの意味が理解できたかどうかという聞き取りのテストを意味することが多い。英語が聞こえるのが当たり前であるネイティブスピーカーが、"listening test"と言う場合、英語の音が聞こえているかどうかは問題としていない。問題としていないというより、誰でもはっきり聞こえるように、問題は発音され、それぞれの単語は、受験生全員が明瞭に聞こえるのが一般的な状態だろう。そのような状態でテストされることは、音が聞き取れたかどうかではなく、言われたことの真意が理解できたかどうかになる。 英語の読み書きを中学や高校で勉強した日本人が、英語の聞き取りテストをすると、英語の音そのものが聞こえ(=hear)ないために、テストができないケースが多い。 人間に取って言語的に意味がある音、音声は、音素から構成される。日本語の音素は、英語の音素より数が少ないため、日本語にない「l」や「r」の音が「ら行」の音に聞こえるように、日本語にない音は最も近い日本語の音に翻訳されて聞こえる。そのため、聞こえたとしても、音は不明瞭である。また、二重子音や子音で終わる音のように、音声構造が日本語にはほとんど現れないものの場合は、英語の二つの音素が日本語の三つの音素に翻訳されたり、英語の一つの音素が日本語の二つの音素に翻訳されるので、不明瞭に聞こえたり、聞き取れなかったりする場合が多い。 タイトルを「外資系社員のためのヒアリング上達法」としたのは、英会話を勉強する日本人の多くは、リスニング アビリティーではなく、ヒアリング アビリティーをトレーニングすることによって、英語が飛躍的に聞こえるようになることが多いためである。
英会話の学習法は目的によって変わらざるをえない。 例えば、カルチャー教室的英会話、家にいて隣の奥さんとおしゃべりしているより英会話のグループに入って文化的な雰囲気を楽しみ、ついでに“How are you? I’m fine, thank you. And you?”などの決まり文句を毎日5,6教えてもらえばもう気分は完全に英会話、隣の奥さんにも「最近英会話を始めましたの」なんてハイソなところを自慢できる。このタイプの人は、英会話の習得が目的ではなく、英会話グループの一員であること自体が英会話学習の目的、ハードな練習は体質にあわない。 このタイプと対象的なのが外資系社員や英語の先生、スチュワーデスなどの仕事で英語を使わなければならない人。「FENのニュースぐらいはなんとか聞こえるようになりたい」と思っているし、そのための努力も自分なりにしていることが多い。《POINT 1》*英語を話すことが本当に必要な外資系社員は、その目的に応じたトレーニングをしなければならない。
日本で英会話をマスターしようとする限り英会話のテープやCDなどを聞くことは絶対に必要だ。しかし、テープやCDなどを聞くだけで到達できるレベルには限界がある。英会話の学習法を知らない初心者の多くは、英会話の決まり文句を憶えたりテープやCDを聞いたりするだけで英語が聞こえるようになると思いこんでいる。実際には、ほとんどの人が外人の吹き込んだテープやCDを聞きながら、聞いた音を瞬間的に日本語の音に訳して日本語の音を聞いている。だから教材の英文を見れば、英語が聞こえるが、新しいところを教材を見ないで聞けば、はっきり聞こえないはずだ。 例えば、“YEAR”と“EAR”はそれぞれ[jiэ]と[iэ]のように発音されるのだが、発音練習をしない限り、何回聞いても両方とも「イアー」に聞こえてしまう。日本語では「はんたい」の「ん[n]」と「しんこん」の「ん[ŋ]」を区別しないので“SEEING[si:iŋ]”と“SEEN[si:n]”が区別できない。またGIVE[giv]を[givu]と発音していると“GIVE HIM[givhim]”の[h]や“GIVE THEM[givðem]”の[ð]が発音されたとき[vu]の[u]の音を無意識に予測しているため、[h]や[ð]が聞こえず、[ギブイム]や[ギブエム]のように聞こえたり、聞き取れなかったりする。 GIVE THEM[givðem]”が聞き取れるようにするには、[vðem]と正確に発音を繰り返す。[v]は上の歯で唇を押さえ、[ð]は舌先を上の歯に付けて、軽く引きながら発音する。日本語には[vð]のような二重子音がないので、[v]と[ð]の間に[u]の音を入れないように注意する。[m]は[mu(む)]ではなく、「しんぱい」の中の[m(ん)]なので、唇が閉じていなければならない。だから[vðem]正確に発音すると、発音し終わったとき、唇が閉じていなければならないが、唇が自分の意図に反して、開いてしまう人が多いはずだ。意識は、[vðem]と発音しようとするが、潜在意識は[buzemu]と発音しようとするからだ。[vðem]がスムーズに発音できるようになったら、[givðem]と繰り返して発音する。もう一度テープやCDを聞くと、今度ははっきり聞こえるはずだ。「発音できない音は聞こえない」というのがヒアリングの最も重要な理論だ。テープやCD,英会話のグループレッスンでヒアリングが上達しないのは「発音が修正されず、いつまでたっても日本語発音で英語をしゃべっている」ためだ。 《POINT 2》*英語を話すことが本当に必要な外資系社員は、徹底した発音練習をしなければならない。
発音の研究をする学問を音声学、特に複数の言語問の発音の違いを研究する学問を比較音声学という。 日本語と英語の音声学的違いがわかっていれば、「日本人は英語を話そうとするときどんな発音ができていない」とか「どんな発音が聞こえない」とか「どんな音を練習すれば英語が聞こえるようになる」とかがあらかじめ分かる。 今回のETS基礎発音テストは、この比較音声学の最新理論をフルに使って、このテストの結果を見ただけで、「その生徒のヒアリングの問題点が一目瞭然となる」ように作られている。そのため外人の先生が生徒のウィークポイントを体系的に把握できるようになったので発音指導を飛躍的に向上させることができるようになった。特に他の英会話スクールでグループレッスンを受けていた人のヒアリングの向上がめざましい。 《POINT 3》*英語を話すことが本当に必要な外資系社員は、自分の発音のウィークポイントを体系的に把握しなければならない。
年齢とヒアリングは深い相関関係がある。 一般的に言うと25才ぐらいからヒアリングに問題点を持ち始め、30才を越えると80%ぐらいの人はグループレッスンでは英語が聞こえるようにならない。 ETSでは10年くらい前までは40才以上の初心者は入会をお断りしていた。2年以上前に30才以上で入会した人は「恐らく聞こえないところが残ります」と言われたのを覚えているはずだ。その後、言語心理学、脳生理学、比較音声学などの新しい研究成果を指導原理に取り入れ、年齢が40才前後までであれば、ヒアリングを上達させることが可能となった。年齢がそれ以上になると個人的資質が最大の問題となる。《POINT 4》*英語を話すことが本当に必要な外資系社員は、25才過ぎたら言語心理学や脳生理学等の知識をフルに利用して勉強しなければならない。
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